日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
内視鏡を応用した胃粘膜下組織血流量の測定―動物による基礎的検討―
宮本 二郎高瀬 靖広竹島 徹中原 朗川北 勲福富 久之崎田 隆夫
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 22 巻 3 号 p. 353-364

詳細
抄録
 われわれは組織血流量を絶対値で測定できる水素ガスクリアランス式組織血流測定法を内視鏡下で応用することで,開腹や採血などの侵襲を加えることなしに胃粘膜下血流量を測定する方法を考按した.そしてこの血流測定法の有効性及び種々の薬物による成犬の胃粘膜下血流量に与える影響を検討した.水素ガスは成犬の場合,ネンブタール麻酔下で気管内チューブを通して供給した.ガストリン投与による胃体上部の血流は,投与前43.3m1/分/100gの血流が,4γ/kg/hr持続静注では65.7ml/分/100gと増加し,16γ/kg/hr投与では逆に血流は40.2ml/分/100gと抑制された.ヒスタログ刺激では投与量増加に伴い体部,前庭部とも血流増加を示したが,特に体部で著明であつた.セクレチンは無刺激下の胃粘膜下血流量にはほとんど影響を示さなかつたが,ガストリン刺激状態での血流に対しては有意に抑制を示した.カテコールアミンとしてエピネフリンとノルエピネフリンを使用したが,前者は血流増加作用,後者は減少作用を示し,また投与方法を1回静注法にすると両者とも血流増加作用を示すなど,投与方法の影響がみられた.胃粘膜下血流側定のアプローチとして内視鏡的水素クリアランス式組織血流測定法はきわめて有効であり,人への応用も十分可能で,今後臨床的な面で検討を加えていきたいと思う.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top