抄録
胆嚢腺筋腫症の診断に,内視鏡的胆道造影法とその際の胆嚢収縮刺激剤投与法の利用を試みた.9例の胆嚢腺筋腫症で,(1)経口または経静脈胆嚢造影法,(2)経口または経静脈胆嚢造影下の胆嚢収縮刺激剤投与法,(3)内視鏡的胆道造影法,(4)内視鏡的胆道造影下の胆嚢収縮刺激剤投与法を施行し,(1),(2),(3),(4)の胆嚢腺筋腫症の診断能を比較検討した.(1),(2),(3),(4)の順に診断能はよくなっていた.(4)や(2)では診断できず,(3)と(4)の方法ではじめて診断できた症例も少なくなかった.内視鏡的胆道造影法とその際の胆嚢収縮刺激剤投与法は,胆嚢腺筋腫症の診断法として非常に有意義であることがわかった.