抄録
愚者は39歳女性,約4年前右季肋部痛,食欲不振,発熱等を主訴として入院,肝機能上閉塞性黄疽のパターンを示しかなりの変動を示した.退院後もたびたび腹痛を訴えていたが,症状が増強してきたので再度入院した.低緊張性十二指腸撮影では乳頭部に一致して半円形,表面凹凸不整の腫瘤陰影が認められた.内視鏡では乳頭部は腫大し,表面粘膜には変化はないが,開口部が破壊され灰白色,乳頭状の腫瘤が十二指腸腔内に露出していた.開口部からの生検細胞診により癌と診断した.膵頭十二指腸合併切除を行なった.切除標本では,2.5×1.7×1.1cmの乳頭部腫瘤で,破壊された開口部から腫瘍が露出していた.組織学的には膨大部に限局したポリープ様腺腫で,その一部に腺癌が認められた.