1980 年 22 巻 5 号 p. 642-646
膵・胆道疾患の疑われた男11名,女17名,計28名に,新しい膵外分泌機能検査法であるB.T.PABA testと,ERCPを施行した.ERCPによる膵管の所見は,「正常」,「軽度異常」,「中等度異常」および「高度異常」と分類した.B.T.PABA testの正常値は,尿中PABA排泄率70%以上とした. ERCPで「膵管異常」群13名中,7名に,B.T.PABA testに異常が認められた.また,ERCPで「膵管正常」群は15名で,そのうち2名にのみB.T.PABA test異常が認められた.両群の間には.推計学的有意差が認められた.これは,要約すれぽ,B.T.PABA testとERCPにおける膵管の所見との間に相関性があることを示している. P-StestとERCP上の膵管所見との間,およびP-S testとB.T.PABA testとの間には,推計学的有意差が認められており,われわれの上記の結果は充分推測されるが,現在までにこれについての報告はみられないので,一つの知見として報告した.