日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
消化性潰瘍の酵素学的研究
石田 稔大木 一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 23 巻 1 号 p. 18-39

詳細
抄録
 消化性潰瘍の動態を酵素活性の面から追求し,LDH,ICD,LDHisoenzymepetternの測定の結果から,胃潰瘍では治癒に向うに従い経時的に病変部辺縁,周辺粘膜とも好気的解糖が盛んになることが確認された.十二指腸潰瘍では,活動期に信本来十二指腸粘膜が有する嫌気的解糖が障害され,治癒に向うに従い元に復する傾向が見られた.ALP,ACPの測定の結果からALP活性は,胃潰瘍では病変部辺縁で経時的減少,周辺粘膜では経時的増加が見られ,十二指腸潰瘍でも周辺粘膜に同様の傾向が見られた.ACP活性は胃潰瘍,十二指腸潰瘍とも治癒過程期に病変部辺縁,周辺粘膜とも最も高い活性が見られた.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top