日本消化器内視鏡学会雑誌
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悪性リンパ腫の消化管病変
久山 泰玉城 信明別所 博子中村 理恵子宮坂 京子林 正孝岡田 弘岡本 真郎桃井 宏直
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1981 年 23 巻 2 号 p. 293-299

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抄録
われわれは・過去10年間に当科にて悪性リンパ腫と診断され,何らかの方法で消化管を検索しえた症例44例を対象とし・悪性リンパ腫の消化管病変について検討した.Hodgkin'sdiseaseとNonHodgkin・slymphomaに大別し浸潤病変を検討すると,それぞれ9例中1例11.1%,35例中10例28.6%に浸潤病変が認められた.臓器別では,胃6,小腸6,大腸3病変と,胃および小腸に多くみとめられた.また初期胃浸潤病変と思われる亜c様病変を約3年間経過観察し,胃切除を施行した1例を提示し,胃悪性リンパ腫の初;期病変に関しても考案を加えた.さらに消化管の良性病変に関して検討してみると,44例中10例に潰瘍を,8例にビランによる大量出血を.その他真菌症等を認めたが,良悪性病変ともに,大量出血,穿孔等直接の死因となることも少なくなく,予後を考える上で早期診断と適切な処置,治療が重要であると思われた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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