抄録
近年,内視鏡器機の改良や内視鏡検査手技の進歩と相俟って,小児科領域にも内視鏡検査が応用されるようになった.今回私達は,内視鏡的に幼児の上部消化管内誤飲異物摘出に成功したので報告した.患児は1歳と2歳の幼児で,いずれもマチ針を誤飲し,1例は胃壁に,他例は十二指腸壁にマチ針が刺入していた.全身麻酔下に内視鏡(GIF-P2,Olympus)を用いて患部確認後,内視鏡下に六角型スネア鉗子を用いてマチ針の抜去・回収に成功した。尚,術中および術後に何ら合併症を認めなかった,以上の自験例をもとに,小児科領域への内視鏡応用の有用性について考察を加えた.