日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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大腸ファイバースコープ光学系の検討
―広視野角大腸ファイバースコープの試作―
丹羽 寛文木村 正儀三木 一正平山 洋二池田 昌弘張 景明半井 英夫
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1981 年 23 巻 2 号 p. 283-291

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抄録
大腸ファイバースコープの操作性,観察能をより向上させるため,広視野角(120。)大腸ファイバースコープを試作し,検討した.これによれば,腸管の強い屈曲部でも腸管の走向確認が容易であり,S状・下行結腸移行部,左右結腸曲の通過に際し大きい利点が得られた.また,近接でも比較的広範囲が観察された.さらに,従来のファイバースコープでは盲点となりやすかった半月弁のかげ,強い屈曲部の内側面などにおいても,観察性能がすぐれていた.また,腸管の走向とスコープの軸が一致した場合には,内腔の望遠像と共に,スコープ先端に近い部が広範囲に正面像に近く観察された.一方距離の違いによる病変の大きさのみかけ上の極端な変動,近接時の像の歪みが認められたが,これらは問題となる程の欠点ではないと思われた.以上より,大腸ファイバースコープの光学系はより広角にすべきものと考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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