日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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スキルスと鑑別困難であった胃結核の1例
木村 徹元山 誠竹沢 二郎栗原 正英桑原 武夫田中 昌輝長坂 一三山路 達雄都築 靖乾 純和樋口 次男関口 利和小林 節雄坂田 則行城下 匠
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1981 年 23 巻 2 号 p. 313-319

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抄録
34歳の男性で,上腹部痛・体重減少を主訴として来院し,胃透視,胃内視鏡検査の結果,スキルス類似の所見を示した.すなわち,胃透視では,胃全体の伸展不良と胃壁の硬化像を認め,胃内視鏡では,同じく送気による胃全体の伸展不良がみられ,粘膜皺壁は粗大顆粒状に肥厚し,走行に規則性がなかった.生検組織診では,悪性細胞は認められなかった.切除胃には潰瘍や腫瘍は認められず,組織学的には粘膜固有層内に類上皮細胞とLanghans巨細胞を伴った肉芽腫を認め,胃結核と診断した.結核菌は陰性であった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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