抄録
超広角側視型十二指腸ファイバースコープ(FUJINON FD-QB)を使用してERCPを施行し,従来の視野角64°のスコープに比較して選択的造影の成功率を向上させることができた.本スコープで374例にERCPを行い,369例(98%)に挿管できた.目的別挿管率は,膵管211/219(96%),胆管106/122(87%),膵胆管30/33(90%)であった.本スコープの特徴は側視105°の視野角を持ち,従来の側視型スコープと比較すると,1)超広角のため広い範囲にわたり十二指腸内腔を観察できる.また,Vater乳頭部の確認が容易である.2)開口部が下方から観察できるので,胆管への挿管率が向上する.