日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
胃集検で発見された残胃早期癌
―異時性多発癌症例―
三原 修室久 敏三郎新村 日出夫北川 陸生津金 綏俊丸尾 国造山田 秀雄大久保 春雄狩谷 淳片場 嘉明
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 23 巻 3 号 p. 451-455_1

詳細
抄録
残胃癌で,初回胃切除が癌に対するものであった場合にはこれを2大別し,初回の癌に関連して残胃に癌のみとめられたものを断端部遺残癌,残胃再発,断端再発とし,初回の癌と別個に認められたものを多発癌とし,更に同時性と異時性に分類している.残胃早期癌の報告例はいまだ少ない.とくに胃癌切除後の残胃早期癌の報告は,著者らの調べたところでは,高木らの報告をみるのみである.著者らは残胃に1型早期胃癌を発見,再切除を行ない,10年目の今日なお,生存中である予後良好な症例を経験したので報告した.本症例は,61歳の男性で,初回の手術はBorrmann豆型の進行癌で,8年後に無症状で,胃集検により発見されており,胃切除後とはいえ,定期的検査が重要であることが痛感された.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top