日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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消化管出血に対する組織固定法
―99.5%エタノール局注止血の試み―
浅木 茂西村 敏明岩井 修一北村 英武増田 幸久迫 研一佐藤 玄徳渋木 諭榛沢 清昭佐藤 彰大方 俊樹後藤 由夫
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1981 年 23 巻 6 号 p. 792-798_1

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抄録

著者らは,高周波電流による内視鏡的胃ポリペクトミー時の大出血例7症例と,緊急内視鏡検査で,大出血のため止血が必要と判断した出血性胃・十二指腸潰瘍9例の出血部に,直視下に99.5%エタノールまたは純エタノールを局注し,全例止血に成功した.局注止血後の再出血例はなく全身状態の急速な改善がみられ,全例外科的処置を必要とせず内科的に管理できた.本法は操作が簡単で,出血血管の周囲に適確に局注できる内視鏡のエキスパートであれば誰れでも,どこででもできる方法で,静脈瘤以外の出血に対して効果的な止血法と考える.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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