1981 年 23 巻 6 号 p. 792-798_1
著者らは,高周波電流による内視鏡的胃ポリペクトミー時の大出血例7症例と,緊急内視鏡検査で,大出血のため止血が必要と判断した出血性胃・十二指腸潰瘍9例の出血部に,直視下に99.5%エタノールまたは純エタノールを局注し,全例止血に成功した.局注止血後の再出血例はなく全身状態の急速な改善がみられ,全例外科的処置を必要とせず内科的に管理できた.本法は操作が簡単で,出血血管の周囲に適確に局注できる内視鏡のエキスパートであれば誰れでも,どこででもできる方法で,静脈瘤以外の出血に対して効果的な止血法と考える.