日本消化器内視鏡学会雑誌
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大腸内視鏡検査により瘻孔を確認できた胆嚢結腸瘻の1症例
門 祐二藤田 潔荻野 昌昭新開 泰司名和田 浩安永 満吉田 智治五嶋 武富士 匡竹本 忠良
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1983 年 25 巻 2 号 p. 297-303_1

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抄録

 胆石症が原因と考えられた特発性胆嚢結腸瘻の1例を報告する.患者は65歳男性,主訴は難治性の下痢と体重減少であった.腹部単純X線写真で肝内胆管にガス像を認め,大腸X線検査およびERCPによって造影剤の異常流出が確認され,本症と診断された.また,大腸内視鏡検査では,横行結腸の肝彎曲部に近い部位に瘻孔の開口を認めた.なお同部からの組織生検で悪性所見を否定できた. 本症では,合併瘻の有無,瘻孔開口部の確認および原疾患の良性・悪性の判定のために,積極的に検査を行なう必要があると考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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