抄録
大腸に腺腫を併存し,胃にも多発性ポリープを認めた若年性大腸ポリポージスの1例を報告した.症例は22歳の男性で主訴は血便および貧血であった.大腸のX線および内視鏡検査にて,結腸および直腸に合計9個のポリープを発見した.9個中6個は有茎性ですべて内視鏡的ポリペクトミーを施行し摘除した.組織学的には1個が腺腫であった他はすべて若年性ポリープの像を呈していた.残り3個は無茎性で生検のみ施行され若年性ポリープを示唆する組織所見を得た.本例は胃にも多発性小ポリープが存在していた.合併していた大腸腺腫ならびに胃ポリープの組織所見に若年性ポリープと類似した点が見い出され,本疾患が全消化管ポリポージスの一疾患である可能性に言及した.また,本例には原因不明の脾腫を合併していた.