日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡下YAGレーザー治療が有効であった残胃進行癌の1例
奥田 順一今岡 渉武知 桂史井田 和徳
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1983 年 25 巻 3 号 p. 448-452_1

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抄録

 YAGレーザーは消化管腫瘍に対する内視鏡下治療として盛んに試みられるようになってきた.私達はIIc+III 様類似進行癌(組織型poorly differentiated adenocarcinoma,深達度pm)の手術後,残胃に再発をきたした81歳男性の再手術不能な残胃癌(レ線計測70×45×35mm)に対して,内視鏡下にYAGレーザーを照射して著明な自覚症状の改善とともに延命効果のみられた1症例を呈示した.レーザー照射は1回につき出力70~90W,照射時間1~3秒, 3,000~10,000 Jouleを1年8カ月の間に計29回延べ約110,000 Joule照射し,現在も続行中である.何らかの理由で外科手術不能な胃癌に対してレーザー治療は有効な方法である.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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