1983 年 25 巻 3 号 p. 453-457_1
Blue rubber bleb nevus syndromeの1例を経験した.症例は66歳女性で,昭和45年頃より左肩甲部に腫瘤あり.昭和51年には貧血を指摘されて鉄剤投与を受けている.昭和56年2月頃より頸部不快感出現し,嚥下時異物感あり.実地医家より当科紹介となる.左肩甲部には表面顆粒状,青色の柔らかい血管腫(3.0×3.5cm)を認め,前胸部にも同様の小血管腫が認められた.また,消化管造影にては,食道上部に隆起性病変があり,内視鏡検査にて表面顆粒状紫色の柔らかい血管腫と診断された.食道,左肩甲部の血管腫は手術にて摘出され,組織像は両者とも海綿状血管腫であった.本邦においては,自験例を含め15例の報告がある.