日本消化器内視鏡学会雑誌
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原発性早期十二指腸癌の1例
前田 淳井口 孝伯飯田 龍一山下 由起子上田 哲哉奥島 憲彦野口 友義小沢 俊総草野 佐小俣 好作川村 雅枝赤上 晃上地 六男勝 健一山下 克子横山 泉
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1983 年 25 巻 3 号 p. 462-468_1

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抄録

 スクリーニング上部消化管内視鏡検査で発見された早期十二指腸癌の1例について報告する.症例は72歳の男性であり検診の上部消化管内視鏡検査で十二指腸下行脚に隆起性病変を認めた.生検にて高分化型の腺癌と診断し手術を施行した.切除標本ではVater乳頭の肛門側0.5cmの部位に1 .8×1.3×0.9cmの表面凹凸を呈する隆起性病変を認めた.深達度はSmであり組織像は乳頭状腺癌であった.また周辺のリンパ節転移は認められなかった.本邦における早期十二指腸癌は現在まで20例が報告されており,本邦報告例を中心に診断,発生母地,治療法について文献的考察を加えて報告した.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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