日本消化器内視鏡学会雑誌
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転移性肝悪性黒色腫2例の腹腔鏡所見
田中 義人林田 研司市丸 治秋谷岡 一井手 秀水寺尾 英夫川本 充三島 致衍城間 盛光今西 建夫村上 一生中村 憲章牧山 和也原 耕平
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1983 年 25 巻 5 号 p. 734-739_1

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抄録
 症例1は75歳の女性.昭和52年9月頃より鼻出血が出現し,昭和53年1月5日malignant melanomaの診断のもとに手術を受けた.9月初めより右季肋部痛や腰痛が出現し,肝シンチにて,肝に多発する陰影欠損を認めたため,当科へ入院した.腹腔鏡検査では,癌臍形成のみられない淡黄色調の腫瘤を肝の両葉に多数認め,生検組織にて,鼻腔の腫瘍組織とよく一致する所見を得た. 症例2は62歳の女性.昭和54年4月眼前に黒点が出現し,5月4日malignant melanomaの診断のもとに左眼球摘出術を受けた.昭和56年4月より全身倦怠感が出現し,6月より全身の移動痛が加わり,当科へ入院した.腹腔鏡検査にて,肝両葉に黒々とした多数の腫瘤を認めた. 以上悪性黒色腫の肝転移の2例を腹腔鏡にて観察し得たので報告した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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