1984 年 26 巻 10 号 p. 1738-1745
盲腸より横行結腸にわたる腸管のう腫様気腫(Pneumatosis cystoides intestinalis)に対し,間欠的高濃度酸素吸入療法を施行した.方法は,酸素テントを用い吸入酸素濃度を75%に調整し,回盲部付近のガス像をX線テレビにて観察しながら連続6時間1日1回酸素吸入を行った.同様にして合計6回の治療を行った結果,治療終了後の腹部単純写真でgascystは消失し,大腸X線検査および大腸内視鏡検査でも病変の完全消失が確認された.従来から行われてきた持続的酸素吸入療法に比し,高濃度酸素による肺障害の危険性も少なく有効な方法と思われたので,治療経過に伴うX線・内視鏡所見などを示し報告した.