抄録
63歳男性にみられた胃上部のIIa集簇型早期胃癌症例を報告した.胃X 線,内視鏡では,噴門,穹隆部から胃体上部後壁に大小不同の不整な小隆起が密集し,発赤,びらんを伴なっていた.胃生検で腺癌と診断され,胃全摘術を施行した.病変は噴門部後壁中心に63×51mmの範囲でIIa型の小隆起が集簇し,一部IIbの部分もみられた.組織像はごく一部にsmへの浸潤が認められた高分化型腺癌であった.IIa集簇型はA・M領域を中心とするものがほとんどで,本例のようにC領域に存在し,長径61mmを越えた例は非常にまれなものと考えられた.