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久山 泰
1984 年 26 巻 11 号 p.
1887-1895
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
全身性進行性硬化症(以下PSS)の大腸病変はX線学的には知られているが,その生理学的機能に関する研究はほとんどなされていない.そこでPSS8例,mixed connective tissue disease(以下MCTD)2例の計7例の大腸内圧をelectrical activity(slow wave)とともに測定し,正常対照群5例と比較した.内圧カテーテルと双極針電極を直腸鏡下に肛門より15cmの部位にクリップ固定後同時に記鏡し,さらにneostigminの負荷を行なった.その結果,内圧をmotility Indexで表わすと,正常群では62±8.59であったが,PSSの3例では著し,内圧の低下が認められ,内圧はneostigminにも,応しなかった.この成績は,同時に測定した食道内圧と同様の傾向を示した.Slowwaveは6~7.5cycle/minと2.9~4cycle/minの2カ所にピークがみられた.正常群では前者の割合が60.2%と増加し,PSSの2例では後者の増加するものがみられた.これらの成績より,大腸の機能,器質疾患に対し内圧とともにslowwaveを測定することは,その病態解明,早期診断に有効と考えられた.
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島本 史夫, 平田 一郎, 白木 正裕, 浅田 修二, 岩越 一彦, 大柴 三郎, 磯崎 博司, 山田 真一, 安田 正幸, 岡島 邦雄
1984 年 26 巻 11 号 p.
1896-1903
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
1978年から1982年まで4年間に切除された胃癌472例のうちpm胃癌46例について,内視鏡学的・肉眼的・組織学的に検討した. 肉眼形態をBorrmann型と早期胃癌類似型の2つに大別した.Borrmann型は16例(34.8%)で,2型が最も多く,組織型は大部分が分化型腺癌であった.早期胃癌類似型は30例(65.2%)で,IIc型が最も多かった.組織型は分化型と低分化型腺癌がほぼ伺数であった. 早期胃癌類似型pm胃癌において,その辺縁隆起の成り立ちと深達度の関係を組織学的に検討した.分化型腺癌では,癌の深達度と辺縁隆起の程度はある程度相関していた.一方,低分化型腺癌では,粘膜下層の線維化や浮腫により粘膜面が挙上されることが多く,辺縁の隆起の程度と深達度は必ずしも相関しておらず,その深達度診断には十分な注意が必要である.
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―内視鏡的Congo red testによる長期経過察観例の成績を中心に―
竜田 正晴, 飯石 浩康, 奥田 茂
1984 年 26 巻 11 号 p.
1904-1910_1
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
十二指腸潰瘍83例および胃十二指腸併存潰瘍23例に内視鏡的Congoredtestを施行し,体部胃炎の拡がりと同時に施行した生検により,幽門洞胃炎の程度を検索し,十二指腸潰瘍42例については,色素内視鏡検査を反復施行し,体部胃炎,幽門洞胃炎の推移と潰瘍発生との関連を観察し,背景胃粘膜の立場より,胃・十二指腸潰瘍の発生について考察した. 十二指腸潰瘍および胃十二指腸併存潰瘍では,背景胃粘膜は全く異なり,十二指腸潰瘍では胃底腺粘膜はよく保たれ幽門洞胃炎も軽度であるのに対し,前庭部または胃角部に潰瘍を併なうものでは,胃底腺粘膜はよく保たれるが,幽門洞胃炎は高度である.さらに胃体部に潰瘍を伴なうものでは,体部胃炎は広汎で,幽門洞胃炎も極めて高度である.Congoredtestによる経過観察により,十.一指腸潰瘍の経過中の胃潰瘍の発生は,幽門洞胃炎の進行と体部胃炎の拡大に密接に関連し,幽門洞胃炎の進行とともに前庭部または胃角部に潰瘍が発生し,体部胃炎の拡大とともに潰瘍の発生部位がより噴門側に移動することを明らかにし,十二指腸潰瘍と胃潰瘍との間には発生病理学的には相違のないことを示した.
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安田 健治朗, 清田 啓介, 向井 秀一, 西村 和彦, 趙 栄済, 小林 正夫, 吉田 俊一, 今岡 渉, 藤本 荘太郎, 中島 正継, ...
1984 年 26 巻 11 号 p.
1911-1923
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
1980年4月より1983年12月までに,オリンパス・アロカ社試作超音波内視鏡1号機,2号機,3号機(GF-UM1)を使用し,消化管病変88例,膵・胆道病変82例を含む計118例に内視鏡的超音波断層法(Endoscopicultrasonography, EUS)による病変観察を行った.消化管病変では,壁構造の観察をもとに癌浸潤の診断,及び転移リンパ節の描出を試み,また内視鏡的レーザー治療の照射深度判定に関しても興味ある成績が得られた.消化管粘膜下腫瘍では,その全例で明瞭な腫瘍像が観察され,その発生母地の指摘も可能であった.次に,膵・胆道病変観察においては,通常超音波断層法(US)では観察不能な20mm以下の小膵癌も明瞭に観察され,膵頭部領域小胆管癌観察でも明瞭な腫瘍像が観察された.EUSは腹壁,腸管ガスの障害を避け,対象臓器に近接した体腔内超音波断層法であり,消化器疾患診断法として新しい分野を開く検査法と考えられた.
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田中 雄二郎, 吉田 秀三, 伊藤 慎芳, 北村 明, 土谷 春仁, 桜井 幸弘, 船冨 享, 池上 文詔, 多賀須 幸男
1984 年 26 巻 11 号 p.
1924-1931
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
われわれは,昭和83年1月から昭和87年12月までにオリンパス社製GIF-P2およびP3を用いて延べ15 ,468回の上部消化管内視鏡検査を行った.この中で球部の1/2以上の範囲に発赤腫張,びらん,ないしたこいぼ型びらんを認め,かつ十二指腸潰瘍を合併しない症例を十二指腸炎とした.同期間に診断された十二指腸炎は69例であり,内22例が肝疾患に合併していることが注目された.このうち従来から十二指腸炎の病因としてあげられたことがある種々の因子がすべて見当らない症例は11例であった.肝疾患に十二指腸炎が合併する比率2.09%は,肝疾患を有さない例で十二指腸炎が出現する比率約0.42%に比し有意に高値であった.上記11例に合併した肝疾患の内訳は,急性肝炎3例,慢性肝炎4例,肝硬変1例,薬剤性肝障害2例および体質性黄疸1例であり,内8例で急激な肝機能の増悪時に検査が行われていた.また,急性肝炎例で肝機能の改善に伴って十二指腸炎の軽快するのを確めえた症例がある.これらより,肝疾患殊に急激な肝機能の悪化は,十二指腸炎の原因となりうると考えられた.
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林田 康男, 劉 星漢, 中津 基貴, 巾 尊宣, 塩崎 哲三, 大坊 昌史, 滝沢 直樹, 熊谷 一秀, 前川 勝治郎, 権田 厚文, ト ...
1984 年 26 巻 11 号 p.
1932-1941
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
近年,ERCPは膵・胆道系疾患の重要な検査の一つであり,事実,小膵癌の発見もされているが,いまだ癌疑診のみで膵切除術を受ける症例もいる.このことよりERCPの診断能を向上させる必要がある. 今回,ESTを施行後,細胞診用ブラシ,生検鉗子を挿入する新しい試みを行なった.ブラシの挿入は1974年より施行しているが,その挿入性に種々問題があった.そのため,ESTを行なうことにより,細胞診用ブラシ,生検鉗子の挿入が非常に容易となり,さらに診断に必要な十分な組織採取も可能となった. もともとESTは胆道内結石症の治療に用いられる手技であるが,診断にも応用されることより"Diagnostic Papillotomy"と仮称した.また本法の手技と症例を示した.
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豊原 時秋, 望月 福治, 藤田 直孝, 李 茂基, 伊東 正一郎, 池田 卓, 大久保 俊治, 中嶋 和幸
1984 年 26 巻 11 号 p.
1942-1946_1
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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類天疱瘡が,内的要因と思われる極めてまれな表層性食道粘膜剥離症の1例を経験し,免疫抑制剤の治療前と治療後の食道粘膜の剥離状態を内視鏡検査で経過観察し得たので報告した.症例は,45歳の女性で,悪心に引き続いて少量の新鮮血と共に白色の紐様構造物を嘔吐し入院した.食道内視鏡検査で,門歯列より約33cmの肛門側に,全周性の境界明瞭な発赤面を伴う粘膜欠損像を認め,その口側は正常粘膜像を示していた.正常粘膜の部分を生検鉗子で牽引すると,薄い膜状に粘膜が剥離され,剥離後の粘膜欠損部には境界明瞭な発赤面を生じた.食道粘膜の電顕的検索で類天疱瘡と診断し,Predonine30mgとEndoxan50mg連日投与の経過観察中に,直視下に生検鉗子で食道粘膜を牽引しても膜状の剥離現象は認められなくなり,免疫抑制剤が著効したと考えられた.表層性食道粘膜剥離症の要因として,本症のような天疱瘡群に基づく食道粘膜病変もあることを銘記すべきと考えられた.
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松本 興三, 麻生 亮一, 田崎 郁子, 田辺 勝彦, 岡嶋 透, 内田 雄三, 柴田 興彦, 藤富 豊, 調 亟治
1984 年 26 巻 11 号 p.
1947-1950_1
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は89歳男性で,内視鏡検査にて食道胃境界部に跨ったIIa型早期胃癌を認めた.生検にて高分化型腺癌と診断され手術を施行したd切除胃肉眼所見では,小彎線上で食道胃接合線に跨がる1.0×0.5cm大のIIa型隆起を認めた.深達度は1部smに達し,組織像は高分化型腺癌であった. 食道胃境界部早期癌の診断について,内視鏡検査の有用性を強調し,若干の文献的考察を加え報告した.
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金沢 重俊, 岩淵 国人, 小時田 宏仂, 折祖 清蔵, 加藤 政孝, 狩野 敦
1984 年 26 巻 11 号 p.
1951-1956
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は74歳の男性で脳梗塞後遺症,高血圧で通院中の患者である.胃部不快感を訴えたため,昭和86年9月16日胃内視鏡を施行した.検査前の状態はいつもと変りなく,狭心症,心筋梗塞を思わせる労作時,安静時の胸痛はなかった.前処置(ガスコンドロップ,キシロカイン,コリオパン)を通常どうり施行し,内視鏡は10分で終了した.終了後,休息させておいたところ約18分後に心,呼吸停止をきたした.心肺蘇生に成功し,その後の心電図および血清酵素の推移から急性心筋梗塞と診断された.本症例は合併症もなく退院した.本症例においては,内視鏡検査という負荷が急性心筋梗塞を発症せしめたと考えられた.内視鏡検査後に突然死を起したとの報告は散見されるが,その際の突然死の原因は不明なものばかりである.本症例のごとく救命され,心,呼吸停止の原因が急性心筋梗塞であったという報告はなく,非常に稀な症例と考え報告した.
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丸山 恭平, 大石 享, 佐藤 達之, 岡野 均, 依岡 省三, 内藤 英二, 布施 好信, 福田 新一郎, 児玉 正, 瀧野 辰郎, 岡田 ...
1984 年 26 巻 11 号 p.
1957-1963
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
63歳男性にみられた胃上部のIIa集簇型早期胃癌症例を報告した.胃X 線,内視鏡では,噴門,穹隆部から胃体上部後壁に大小不同の不整な小隆起が密集し,発赤,びらんを伴なっていた.胃生検で腺癌と診断され,胃全摘術を施行した.病変は噴門部後壁中心に63×51mmの範囲でIIa型の小隆起が集簇し,一部IIbの部分もみられた.組織像はごく一部にsmへの浸潤が認められた高分化型腺癌であった.IIa集簇型はA・M領域を中心とするものがほとんどで,本例のようにC領域に存在し,長径61mmを越えた例は非常にまれなものと考えられた.
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折居 裕, 横田 欽一, 峯本 博正, 小西 行夫, 岡村 毅与志, 並木 正義
1984 年 26 巻 11 号 p.
1964-1968_1
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は73歳女性.しばしば上腹部痛を自覚していたが,胃集団検診で幽門部に辺縁不整な陥凹性病変を指摘された.内視鏡検査の結果,悪性腫瘍の疑いをもたれ,4カ月間の経過観察中に何度も生検が行われたが悪性所見は得られず,また潰瘍性変化の縮小傾向もないため精査の目的で当科を紹介された.cimetidineを主体とする抗潰瘍薬による治療にも効果がみられないため,入院となった.この時のTPHAテストが強陽性,その他の梅毒血清反応も陽性であった.さらにX線および内視鏡所見において,従来いわれているような特徴的所見を示していたため胃梅毒を疑いBenzyl penicillin procaineによる駆梅療法を行ったところ,速やかに内視鏡所見の著明な改善と自覚症状の消失をみた.この事実もまた胃梅毒と診断するうえに参考となった.
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粂井 康孝, 原田 一道, 上田 則行, 並木 正義, 柴田 好, 武田 章三
1984 年 26 巻 11 号 p.
1969-1973_1
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
今回われわれは持続性の出血をきたした巨大な胃のfibrous xanthomaを経験した.症例は,66歳の男性で,入院6カ月前から,体動時にめまい感を覚えるようになり,1カ月前より黒色便に気付いたため,近医を受診,胃X線検査で異常を指摘され,精査の目的で市立旭川病院内科に入院した.胃内視鏡検査で,体上部から噴門部にかけて,出血を伴う,黄白色調の巨大な隆起性病変を認めたが,生検では確診が得られなかった.胃X線検査および内視鏡検査所見などより,非上皮性の悪性腫瘍が疑われたのと,出血が続くため胃全摘術を施行した.その摘出標本の病理組織学的検索により,fibrous xanthomaと診断した.胃に発生するfibrous xanthomaの報告はきわめて少ないので,文献的考察を加えて報告した.
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浅井 俊夫, 山本 義樹, 梶川 学, 高野 健市
1984 年 26 巻 11 号 p.
1974-1981
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
胃浸潤を伴った十二指腸球部癌を経験したので報告した.症例は73歳,女性,自覚症状は無かったが人間ドックの上部消化管造影で球部に異常を指摘された.内視鏡検査で球部と幽門輪近傍にIIa集簇様の隆起性病変が認められ,生検で腺癌と診断されたので胃十二指腸切除術が施行された.肉眼的に球部を中心に一部胃に及ぶ5×7cmの範囲に低い丘状隆起が集簇していた.病理組織学的には管状腺癌で腺腫の併存はなく,癌はおもに粘膜内に発育していたが,幽門輪のすぐ肛門側では局所的に固有筋層への浸潤と更に小範囲に胃粘膜内浸潤を示した.電顕的にも小腸上皮の特徴を有していた.この浸潤様式より幽門括約筋が十二指腸癌の胃浸潤を防ぐ防御的役割を果している可能性が示唆された.
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永井 賢司, 早川 哲夫, 野田 愛司, 近藤 孝晴, 水野 理文, 浜野 博次, 村瀬 敏之, 柴田 時宗, 二村 雄次
1984 年 26 巻 11 号 p.
1982-1986_1
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
最近当教室では,血清アミラーゼ値および血清エラスターゼ1値の上昇を端緒として診断し得た無黄疸性の乳頭膨大部癌の1例を経験した.本邦で1976年から1982年までに報告された乳頭膨大部癌は162例である.そのうち無黄疸で胆道系酵素の上昇もなく,血清アミラーゼ値の上昇を端緒として診断されたものは5例であった.うち4例では癌は乳頭部に限局し,残りの1例は癌の一部が膵管を経由して膵実質に入りこんでいたが,全例予後は良好であった.乳頭膨大部癌を早期に発見し,予後を改善するためには,上腹部不定愁訴のある患者では,たとえ無黄疸で肝機能検査に異常がなくても,乳頭膨大部癌を念頭に入れて血清膵酵素を測定し,診断の端緒とすることが重要である.
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金井 道夫, 山本 英夫, 七野 滋彦, 佐藤 太一郎, 秋田 幸彦, 加藤 岳人, 片山 信, 三浦 由雄, 加藤 庄次, 乾 和郎, 二 ...
1984 年 26 巻 11 号 p.
1987-1995
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
22×19×17mrnの乳頭型胆嚢癌の1例を報告し,経皮経肝胆嚢内視鏡検査(Percutaneus Transhepatic Chole Cysto Scopy;以下PTCCS)と経皮経肝胆管内視鏡検査(Percutaneus Transhepatic Cholangio Scopy;以下PTCS)の有用性について述べた. 症例は,66歳女性で心窩部不快感,体重減少を主訴に来院した.黄疸はなかったが,腹部超音波検査(以下U.S)にて中部胆管の背側に腫瘤を認め,総胆管は圧排されて狭窄し肝側は拡張していた.また胆嚢内に結石を認めたため精査した. 腹部CT,HDG,PTC,PTCCS,PTCSにて,肝十二指腸靱帯内の転移リンパ節から総胆管に浸潤した乳頭型胆嚢癌と診断した.PTCCSによる胆嚢底部の乳頭状隆起の直視下生検では,高分化型管状腺癌を認め,PTCSによる総胆管狭窄部の直視下生検では,粘膜下へ浸潤性に増殖した同一の腺癌細胞を認めた. 以上,病理組織学的な術前確定診断をし得た.
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天津 孝, 竹田 喜信, 福本 健治, 多田 秀樹, 三好 博文, 築山 順一, 板橋 司, 黎 維明, 松本 章夫, 大柴 三郎
1984 年 26 巻 11 号 p.
1996-2000_1
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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分娩直後に黄疸の再発をみた良性反復性肝内胆汁うっ滞症(Benign recurrent intrahepatic cholestasis以下BRIC)の1例を報告する.症例は25歳女性.過去に4度の黄疸の既往あり.第1子出産直後に5回目の黄疸を発現し入院となった.腹腔鏡検査では肝は表面平滑,辺縁鋭で紋理が強調され緑褐色を呈していた.組織学的には小葉中心性の毛細胆管内胆栓を顕著に認め,小円形細胞浸潤や間質の線維化はみられなかった.電顕像では毛細胆管の内腔が著明に拡張し内部に胆汁が充満しており,microvilliの数の減少がみられた.肝細胞内の変化は少なく胆汁色素は存在しなかった.生化学的にはγ一GTPが病初期に軽度の上昇を認めたが,以後正常値をとり続けビリルビンやAl-Pと解離を示した.本疾患の病因は不明とされているが,分娩も誘因となることが示唆された.
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中村 洋三, 坂上 博, 水上 祐治, 佐々木 達郎, 平林 靖士, 大久保 博忠, 西村 庸夫, 赤松 興一, 太田 康幸
1984 年 26 巻 11 号 p.
2001-2007
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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肝硬変に併発した原発性肝癌8例に対し,TAE施行前後で上部消化管内視鏡検査を施行した.8例中4例に計6回のTAE施行後,胃または十二指腸の潰瘍性病変を認めた.このうち2例に計3回のTAE施行後に胃前庭部全体にわたる発赤・びらんの炎症性所見を認めた.また,1例に2回のTAE施行後に胃前庭部の潰瘍を認めた.胃潰瘍を形成した症例の剖検胃では,病変部周囲に粘膜下層の広範な線維化を認め,粘膜下層に高度の炎症が存在したことが示唆された.十二指腸病変は1例で認められ,上腸間膜動脈よりTAEを施行した症例であった.なお,以上の8例は全例が食道または胃静脈瘤の合併例であるが,TAE施行前後で静脈瘤の形態・性状に著変を認めなかった.
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日本消化器内視鏡学会
1984 年 26 巻 11 号 p.
2009-2034
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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日本消化器内視鏡学会
1984 年 26 巻 11 号 p.
2035-2056
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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日本消化器内視鏡学会
1984 年 26 巻 11 号 p.
2056-2092
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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日本消化器内視鏡学会
1984 年 26 巻 11 号 p.
2092-2133
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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日本消化器内視鏡学会
1984 年 26 巻 11 号 p.
2134-2141
発行日: 1984/11/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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