抄録
22×19×17mrnの乳頭型胆嚢癌の1例を報告し,経皮経肝胆嚢内視鏡検査(Percutaneus Transhepatic Chole Cysto Scopy;以下PTCCS)と経皮経肝胆管内視鏡検査(Percutaneus Transhepatic Cholangio Scopy;以下PTCS)の有用性について述べた. 症例は,66歳女性で心窩部不快感,体重減少を主訴に来院した.黄疸はなかったが,腹部超音波検査(以下U.S)にて中部胆管の背側に腫瘤を認め,総胆管は圧排されて狭窄し肝側は拡張していた.また胆嚢内に結石を認めたため精査した. 腹部CT,HDG,PTC,PTCCS,PTCSにて,肝十二指腸靱帯内の転移リンパ節から総胆管に浸潤した乳頭型胆嚢癌と診断した.PTCCSによる胆嚢底部の乳頭状隆起の直視下生検では,高分化型管状腺癌を認め,PTCSによる総胆管狭窄部の直視下生検では,粘膜下へ浸潤性に増殖した同一の腺癌細胞を認めた. 以上,病理組織学的な術前確定診断をし得た.