日本消化器内視鏡学会雑誌
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上部消化管出血に対する内視鏡的止血法の比較検討Nd-YAGレーザー止血法,純エタノール局注法マイクロ波止血法を中心として
佐藤 和一小松 寛治盛合 範彦中目 千之佐々木 雅佳花田 稔
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1984 年 26 巻 3 号 p. 424-432_1

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抄録

 上部消化管出血38例に対し,YAGレーザー止血法,純エタノール局注止血法,マイクロ波止血法の3種類の方法で,内視鏡的止血法を試みた.38例中30例は,初回単独にて永久止血に成功し,残り8例は2種類の止血法を併用することにより,永久止血に成功,最終的には全例永久止血に成功した.初回単独止血有効率はYAGレーザー83%,純エタノール局注止血法86%,マイクロ波止血法100%であった.各内視鏡的止血法を,出血重症例,出血管別に検討してみると,出血程度が軽症群,中等症群では3者とも良好な成績を示したが,重症群では,動脈性出血に関しては純エタノール局注止血法,マイクロ波止血法が,複数の静脈性出血,広範囲の毛細血管性出血に関しては,YAGレーザー止血法が,それぞれ有効であった.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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