日本消化器内視鏡学会雑誌
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エンドプロステーゼ留置による内視鏡的乳頭切開術後の結石嵌頓の予防
田中 雅夫松本 伸二吉本 英夫山内 昌一郎池田 靖洋
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1985 年 27 巻 11 号 p. 2293-2298

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抄録
 内視鏡的乳頭括約筋切開後術の結石嵌頓による急性閉塞性胆管炎は極めて危険な合併症である.結石が大きいために自然排出が望めない症例で,切開直後にバスケットによる摘出が行えない場合あるいは成功しなかった場合には本症の発生に備えて厳重な警戒が必要である.切開直後の結石摘出が,胆管炎・膵炎・出血傾向・全身状態不良などのため施行できなかった6症例において,次回の結石摘出・破砕までに胆管内にdouble pig tail型のエンドプロステーゼを留置し,結石嵌頓の予防に良好な結果を得た.リスクの高い患者を扱うことの多い内視鏡的乳頭括約筋切開術において,結石嵌頓という緊急事態を避けることのできる本法の意義は極めて大きいと思われる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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