日本消化器内視鏡学会雑誌
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レーザー光回折パターンを利用した腹腔鏡的肝表面計測法の基礎的研究
井戸 健一寺田 友彦川本 智章堀口 正彦木村 健沖田 極福本 陽平名和 田浩竹本 忠良
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1985 年 27 巻 5 号 p. 682-687

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抄録
波長488nmのアルゴンレーザーと透過型ファイバー回折格子を組み合わせて,肝表面の病変計測用腹腔鏡の開発を目的とした基礎的な実験を行った.レーザー光をファイバー回折格子に入射して,得られた回折光を凸レンズで0.2mm間隔の平行光に直した径50μ のスポットは明るく鮮明であるため,腹腔鏡的な病変計測に応用できると思われた.本法は回折光を入射する45度側方から観察するため,高精度の2次元の計測が容易に可能であった.即ち,スポットのピッチを数えて0.2倍すれば大きさ(巾)が求められるし,観察された高さを√2万倍すれば真の高さが求められた.この回折光投影装置を外径10mmの腹腔鏡に組み込んだ計測用腹腔鏡を試作して,生体肝を観察したところ,通常光による明るい肝表面像のうえに明瞭な回折光のスポットを観察でき,且つ写真撮影にも成功した. 以上より,計測用レーザー腹腔鏡は従来の計測法に比して画期的な装置になりうると考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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