日本消化器内視鏡学会雑誌
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高周波ポリペクトミーにて切除し得た胃粘膜下異所腺の1例
山野 三紀北守 茂男澤 伸一黒川 洋柴田 好原田 一道梶 巌岡村 毅興志水島 和雄並木 正義
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1986 年 28 巻 10 号 p. 2353-2361

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抄録
 胃粘膜下異所腺は切除胃などの検討では決して稀な病変ではないが,ポリープ様隆起を呈することは少ない.今回われわれは山田III型隆起を呈し,高周波ポリペクトミーで摘出した病変の組織学的検索で,胃粘膜下異所腺であることを確め得た1例を経験したので,文献的考察を加え報告した.症例は70歳の女性.食欲不振で某医を受診し,上部消化管検査で異常を指摘され,精査のため当科に紹介され入院となる.胃エックス線検査,および内視鏡で胃前庭部後壁小彎寄りに頂部に潰瘍を有する約13×16mm大の山田III型の隆起性病変を認め,胃粘膜下腫瘍と診断した.確定診断と治療を目的に,高周波ポリペクトミーを施行した.摘出標本の病理組織学的検索では胃粘膜下異所腺であった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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