日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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肝転移を伴った多種ホルモン産生性膵内分泌腫瘍によるWDHA症候群の1例
小野 稔関谷 千尋並木 正義小西 行夫折居 裕山口 建阿部 薫亀谷 徹
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1986 年 28 巻 2 号 p. 383-392_1

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抄録
肝転移を伴う悪性膵ラ氏島腫瘍によるWDHA症候群の1症例を報告した.症例は59歳女性で周期的に出現する水様性下痢を主訴として来院した.上部および下部消化管のX線検査,内視鏡検査などでは異常は認められなかったが,血中のVIP(Vasoactive Intestinal Polypeptide)は著明な高値を呈した.他にPancreatic Polypeptide, Calcitonin, Somatostatineも血中濃度の増加がみられた.膵原発巣組織中ではVIP, Pancreatic-Polypeptide, C-peptide, Somatostatin,Calcitoninが,肝転移巣ではVIP,Glucagon,Somatostatinが腫瘍組織中で産生されていることが,ホルモン含量のRadioimmuno-Assayおよび免疫組織化学的検索で判明した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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