日本消化器内視鏡学会雑誌
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原発性胆汁性肝硬変症のICG静注投与下での腹腔鏡所見の検討
水入 紘造吉岡 敏江羽鳥 知樹佐川 寛難波 経彦定本 貴明毛 克弘杉本 元信安部井 徹
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1986 年 28 巻 4 号 p. 769-777

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抄録
 原発性胆汁性肝硬変症(PBC)3症例にindocyanine green(ICG)静注投与下で合計4回,腹腔鏡検査を施行した.症例1(Scheuer分類I期)35歳,女性.肝は両葉共に腫大.赤色紋理,リンパ小水泡が観察され,組織学的にpiecemeal necrosisも認められた.症例2(Scheuer分類II,I期)56歳,女性.2年前に第1回腹腔鏡検査を施行.肝は両葉共に腫大.ICG投与後,斑紋様のICG取り込みが明らかとなり,左葉に局在性の肝表在血管の増生,起伏性変化が観られた.第2回目でこれらは右葉にも出現し,さらに明瞭となった.ICG取り込みの部位による明らかな差異が観られた.症例3(Scheuer分類IV期)49歳,女性.肝は両葉共に腫大.褐色調で暗緑色や黄色斑を認め,丘状結節があり,リンパ小水泡,肝表在血管の増生が顕著であった. ICG投与後,その取り込みの差異が肝表面で観察されたことは,PBCの病変の特徴を理解するうえに示唆に富む所見である.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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