日本消化器内視鏡学会雑誌
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いわゆる胃Vanishing tumorの経過をたどった胃アニサキス症の1症例
広田 和子内田 善仁波多野 裕安武 隆二郎岡崎 幸紀竹本 忠良藤井 康宏岩田 隆子
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1986 年 28 巻 4 号 p. 789-794_1

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抄録
 いわゆる胃vanishing tumorの経過をたどった胃アニサキス症の1症例を報告した.症例は59歳の男性.〓の刺身を食べた6時間後に,心窩部痛を認めた.初回内視鏡検査では,胃穹窿部にかなり大きく,一見サザエのような形をした軟らかい隆起性病変を認めた.7日後に再び内視鏡検査を行ったところ,隆起は消失し,同部にはアニサキス幼虫が一匹穿刺していた. 胃vanishing tumorと胃アニサキス症の関連について文献的考察を行ったところ,本症例はアニサキスという原因が明らかにされた胃vanishing tumorとしてはまれな症例であった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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