抄録
ウィルス肝炎のうちB型慢性肝炎の活動型に認められる門脈周囲赤色紋理は星芒状ないし網目状構造を示し,組織学的に肝細胞のpiecemealまたはbridging necrosisと,とくに亜小葉性肝壊死と一致することが明らかにされている.ところが今回上記の門脈周囲赤色紋理とは腹腔鏡所見上それぞれ異なる形態をもった赤色紋理が非A非B型急性肝炎の1例および自己免疫性肝炎の2例に認められたので報告する.非A非B型急性肝炎の1例では小葉中心性赤色小円形紋理の規則正しい配列を認め,組織像でこの赤色斑は中心静脈周囲に存在する幅広い壊死巣を表現するものと考えられた.自己免疫性肝炎の2例は,いずれも基盤に初期結節の出現を認めている症例であるが,肝表面に径約2~3cmの局在性陥凹が出現し,この陥凹部に鮮紅色の小葉大円形紋理の集合を認めた.組織学的にこの赤色紋理の集合は,その部位に発生したmassivenecrosisによるものと考えられた.