抄録
上部消化管に対する内視鏡的止血法としてR.L.Protellによって考案されたHeaterProbe法を臨床に応用し,その有用性を検討した.Protellらの理論に基づいて開発されたヒートプローブ装置(HPU)を用いて上部消化管出血をきたした胃潰瘍11例,十二指腸潰瘍5例及び吻合部潰瘍3例の計19例に対して本法による止血を試みた.その結果18例(94.7%)は一時止血ないしは永久止血に成功し,1例の合併症の発生もなく安全に施行することができた.ヒートプローブ法と他の内視鏡的止血法(薬剤散布法,薬剤局注法,クリップ止血法,高周波凝固焼灼止血法,レーザー止血法)と比較検討した結果,本法は止血の効果の確実性,手技の容易さ,安全性,器械の携帯性のいずれの点においても他の出血法と同等ないし優れており,今後広く臨床に普及するものと考えられた.