抄録
スキルス型胃癌の超音波内視鏡(EUS)像を解析した.検討したスキルスは切除胃9例,臨床施行例3例の計12例で,対照として早期胃癌のために切除された切除胃13例の非癌部位を用いた.スキルスのEUS像は正常胃壁と同様に5層構造を維持したまま,各層の著明な肥厚像として捉えられ,正常胃壁のエコー像に比して第3層はやや低エコーに,第4層は点状のエコーの散在したまだらな低エコー像として描出された.これらの所見は癌組織に伴う線維成分が重要な役割を果していると考えられる.X線・内視鏡検査で胃壁の肥厚として捉えられる髄様型胃癌,肥厚性胃炎及び悪性リンパ腫とは明瞭に区別され,鑑別が可能であった.今後,EUSを用いることにより,より早期のスキルスを診断することが可能になると考えられる.