抄録
Eosinophilic gastroenteritisは,1)末梢好酸球増多,2)胃,腸管壁好酸球浸潤,3)特定食品摂取による症状出現を主徴とする疾患で,欧米では比較的多くの報告がなされているが,本邦では,自験例を含め,16例の報告をみるのみで稀な疾患とされている.著者らは,腹痛,下痢,嘔吐に,末梢好酸球増多,十二指腸球部粘膜への好酸球浸潤を認め,特定食品として,それぞれ牛肉,鶏卵が推定された2例を経験した.本症の病変部位は,胃,小腸が大部分とされ,われわれの2例も空腸が主体で,病理組織学的には,粘膜層に好酸球の浸潤がみられた.本症の病因に関しては,アレルギーの関与が考えられているが,著者らの症例でも1例に花粉アレルギーの既往が認められ,卵白に対するRAST法が陽性を示した.2症例共,副腎皮質ステロイド剤の投与前に症状は軽快し,現在経過観察中である.