日本消化器内視鏡学会雑誌
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染色実体顕微鏡観察による胆嚢粘膜パターンの検討
宮川 秀一中村 従之川瀬 恭平鄭 統圭高柳 和男山川 真三浦 馥堀口 祐爾中野 浩伊藤 圓
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1986 年 28 巻 8 号 p. 1796-1801

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抄録

 胆嚢粘膜パターンや粘膜病変の表面構造を解明する目的で,胆石症82個,胆嚢癌6個,胆嚢腺腫2個,石灰化胆嚢1個,他疾患11個の摘出胆嚢を対象に,染色実体顕微鏡検査法によってその粘膜表面を観察した.染色を施すことによって粘膜の微細構造をよく識別することができた.胆嚢における粘膜パターンは,網状型50%,肥厚型15%,萎縮型20%,混在型15%に分類しえた.癌部表面では大小不整な顆粒状,結節状,絨毛状の構造を認めることができた.腺腫表面では大小不整な顆粒状,結節状の構造を呈しており,肉眼的には癌との鑑別は困難であった.本検査法は,胆嚢粘膜観察法として有効であり,胆嚢病変の肉眼診断や内視鏡診断の基礎的所見を提供するものとして有用と思われる.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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