抄録
健常ヒトボランティア6名を対象として,常用量のindomethacinによる胃粘膜傷害の発生と胃粘膜prostaglandins(PG)量におよぼす影響を検討した.その結果,内視鏡的に,6名中3名にindomethacinによる胃粘膜病変が認められた.すなわち,1名は幽門前庭部に2個の点状出血ビラン,他の1名は胃角~胃体部後壁に5個の線様出血ビラン,残りの1名には胃全体に多発性の発赤と出血ビランを認めた.生検粘膜組織のPGについては胃体部,幽門部とも,PGE2量はindomethacinにより著明な低下を認め,推計学的有意差がみられた.6-keto-PGF1α(PGI2の最終代謝産物)量もindomethacinにより低下傾向を示した.以上のことから,常用量のindomethacinが,健常ヒトボランティアにおいて胃粘膜PG(特にPGE2)量を低下させ,その結果,胃粘膜を脆弱化させることが示唆された.