日本消化器内視鏡学会雑誌
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同時性食道胃早期重複癌の1例
寺本 研一竹下 公矢清原 秀康青井 東呉吉野 邦英羽生 丕遠藤 光夫那須 道世
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1987 年 29 巻 2 号 p. 288-295

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抄録
 近年食道癌診断技術の進歩により,早期食道癌の症例が増加している.今回,われわれは食道と胃の同時性早期重複癌で食道については大きさ1cm以下の微小癌であった1症例を経験したので報告する.症例は62歳男性で,近医で早期胃癌の診断を受け,手術のため当科入院となった.当科で上部消化管内視鏡検査を施行したところ,胃病変のほかに食道にも小発赤を認め,この部分の生検から食道癌の組織診断を得た.手術は右開胸による下部食道切除,胃全摘術を施行した.切除標本の病理組織学的検索では,大きさ0.5×0.7cm,深達度mmの早期食道癌と,大きさ1.8×5.0cm,深達度smの早期胃癌であった.なおリンパ節に転移は認めなかった. 食道と胃の同時性早期重複癌はまれで,本邦においては現在のところ10例が報告されているのみである.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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