日本消化器内視鏡学会雑誌
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血友病Aおよび血友病様疾患患者の出血性潰瘍に対するエタノール止血
杉浦 克明重沢 立郎吉田 秀三平田 りえ江畑 明稲葉 英造三宅 祥三
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1987 年 29 巻 2 号 p. 302-304_1

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抄録
 出血性潰瘍に対する治療法の1つとして,純エタノール局注(E注)が広く行われている.しかし,血液凝固異常を伴う出血性潰瘍に対しても有効か否か,あるいは内出血を作るのか否か疑問であった.われわれは,血友病A患者2名,後天性第8因子抑制因子出現患者1名の出血性潰瘍に対するエタノール止血を試みた.症例1.33歳男性,血友病A.胃体上部後壁小潰瘍.E注,第8因子製剤投与により22日後に瘢痕治癒.症例2.28歳男性,血友病A.胃体中部前壁小潰瘍.E注,第8因子製剤投与により5日後に潰瘍面は白苔のみ.症例3.72歳男性,第8因子抑制物質による後天性の血友病A様疾患.食道噴門部潰瘍.E注,第8因子製剤,ステロイド剤投与により22日後,瘢痕治癒.純エタノール局注法は,粘膜下の出血を認めず,欠乏因子の補充等凝固異常の治療法と併用することにより,有効な治療法であると思われた.
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