日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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大腸内視鏡にて整復,診断し得た腸重積を起こした回腸悪性リンパ腫の1例
村田 育夫山下 豊田中 俊郎林田 研司中村 憲章浦野 健今村 和之今西 建夫牧山 和也原 耕平
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1987 年 29 巻 4 号 p. 729-734_1

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抄録
 以前は極めてまれとされていた術前に診断された小腸腫瘍の症例も,内視鏡学の進歩とともに次第に増加しつつある.最近,43歳男性で腹痛および下血にて緊急入院し,大腸ファイバースコピーにより,回腸末端粘膜下腫瘍を先進部とした腸重積症を起こしていることを確認できた症例を経験した.本例では,内視鏡施行中に空気圧とファイバースコープによるpushで一時的に腸重積を整復せしめ,検査のための時間を得ることができた.同時に,内視鏡下生検により悪性リンパ腫の術前診断を得ることが出来た.このような報告はまれであることから,文献的考察を加えて報告した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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