日本消化器内視鏡学会雑誌
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亜硝酸製剤投与による内視鏡的総胆管結石除去の試み
伊吹 康良岡部 純弘福井 俊彦樫田 博史平佐 昌弘工藤 正俊藤見 勝彦冨田 周介小森 英司織野 彬雄藤堂 彰男
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1988 年 30 巻 1 号 p. 94-100_1

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抄録
亜硝酸製剤の乳頭括約筋に対する弛緩作用を利用し,総胆管結石症の4症例に対し内視鏡的に乳頭括約筋切開術を行うことなく結石を除去し得た.本法は,静注用亜硝酸製剤の投与下に,内視鏡的にバスケットカテーテルを胆管内に挿入し結石を把持し,あるいはバルーンカテーテルを胆管内に挿入後結石と共に引き抜く事により除去するものである.術中,血圧低下その他の副作用は認めなかった.本法の適応は総胆管内の小結石例であるが,特に内視鏡的乳頭括約筋切開術の禁忌もしくは不適当な症例には有用と思われる.また,ERCPや内視鏡的乳頭括約筋切開術などの施行時,乳頭括約筋の緊張が強くカテーテル等の挿管が困難な場合にも応用することができる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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