日本消化器内視鏡学会雑誌
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腹腔鏡直視下ドレナージによる持続腹腔洗浄が有効であった急性出血性膵炎の1例
佐藤 和一林 義峰小松 寛治
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1989 年 31 巻 10 号 p. 2714-2718_1

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抄録
 急性出血性膵炎の早期診断はいまだに困難であり,治療は外科的療法が主体となっている.われわれは79歳女性の急性膵炎に対し早期に緊急腔鏡検査を行い急性出血性膵炎と診断した.同時に腹腔鏡直視下に2本のドレーンを腹腔内に挿入し,同ドレーンよりメシル酸ナファモスタット生食液で10時間にわたり腹腔内を持続洗浄した.さらにメシル酸ナファモスタットを経静脈的に短期大量投与,大量補液,血清蛋白の補充,2次感染の予防等の治療の併用により良好な臨床経過をたどった.腹腔鏡直視下持続腹腔洗浄が重症膵炎の治療に有効であった1例である.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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