日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃悪性リンパ腫と胃Reactive lymphoreticular hyperplasiaの鑑別診断―内視鏡的見地より―
大城 宏之横山 泰久横山 功菊池 学水田 正雄
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1989 年 31 巻 2 号 p. 379-387

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抄録
胃悪性リンパ腫57例およびRLH27例について臨床病理学的検討を行い,以下の結論を得た. 1)MLとRLHは性比では差がなく,年齢でRLHのほうがやや若い傾向があった. 2)部位別頻度では,RLHはM領域に多く,MLはM,C領域に多い.MLは大彎側,後壁病変が多く,RLHは小彎側病変が多い. 3)肉眼型では,MLはSuperficial typeおよびUlcer typeが多く,RLHはSuperficial typeが多い. 4)初回内視鏡診断率はMLでは19.3%,RLHでは11.3%であった. 5)生検診断率は,MLでは81.3%,RLHでは38.9%であった. 6)内視鏡像は,MLでは乳白色調白苔,巾の狭い潰瘍辺縁,発赤調の潰瘍辺縁,Cobblestoneなどが多く認められ,RLHでは,褪色調の潰瘍辺縁,地図状陥凹所見,褪色域中に散在する発赤斑などが多く認められた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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