日本消化器内視鏡学会雑誌
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幽門・十二指腸狭窄を来したクローン病の1例
平松 新水野 孝子仲野 俊成宮内 克二西中 俊弘中村 昌弘山口 貴司野中 恒幸奥平 勝竹村 滋鮫島 美子
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1989 年 31 巻 2 号 p. 449-457

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抄録
幽門狭窄をきたした胃・十二指腸クローン病を経験し,内科的治療にて寛解したので本邦報告9例と併せて文献的考察を行った. 患者は22歳,男性.約10年前より食欲不振,不明の発熱,下痢,体重減少を認め,胃クローン病の疑いと言われたが確診されることなくsalazosulfapyridine(SASP)を投与されていたところ,昭和60年6月,上記症状が増強し入院した.胃X線検査で胃は著明に拡張し,噴門直下より体部にわたり大小不同の隆起性病変がみられ,胃角,前庭部に縦走潰瘍がみとめられた.十二指腸から空腸にかけても進展不良で,隆起と一部に偽憩室をみた.胃内視鏡検査でも胃体上部から前庭部にかけて隆起と体下部に不整潰瘍があり,幽門は隆起性病変のために狭小化していた.十二指腸球部からVater乳頭付近にかけても隆起があり,管腔の狭窄を認めた.隆起性病変の切除組織標本より肉芽腫をみとめ,胃・十二指腸,小腸クローン病と診断した.初回入院時はelemental diet (ED), SASP, predonisolone (PLS)で症状は改善し退院した.昭和61年5月に再燃したが,ED,SASPにて軽快した.昭和63年2月現在,SASPのみで外来で経過観察中であり,平常の仕事に就いている.胃・十二指腸狭窄を呈したクローン病は本邦で10例の報告があるが,内科的治療で寛解を得たのは自験例を含む3例のみである.本症例は確定診断から約2年間経過良好であり,慎重に経過観察を行えば,内科的治療も可能であると考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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