日本消化器内視鏡学会雑誌
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先天性胆嚢欠損症の1例
重松 忠前田 ひとみ福井 和彦奥村 泰明春日井 達造神谷 勲上原 真一岡田 喜克末永 昌宏
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1989 年 31 巻 2 号 p. 471-476_1

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抄録
先天性胆嚢欠損症は比較的稀な疾患である.画像診断の発達した今日でもその術前診断は困難であり,多くは開腹後に診断されているのが現状である.今回われわれは総胆管結石,閉塞性黄疸にて発症した先天性胆嚢欠損症を経験したので報告する.症例は74歳の女性で発熱,黄疸,右季肋部痛にて来院.腹部US,CT,ERCPにて総胆管結石・右肝内結石と診断した.胆嚢が描出されないのは胆嚢結石および胆嚢萎縮による変化と考えた.開腹時,胆嚢は確認されず,術中胆道造影にても胆嚢は認めず,総胆管に嚢状の突出を認めた.同様に胆道鏡でも嚢状の突出を確認し,胆嚢,胆嚢管の遺残を認める先天性胆嚢欠損症と診断した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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