抄録
外径0.75mmの微細径ファイバーカテーテルを親子ファイバー方式に用いて,屍体膵12例および臨床例で主膵管・胆管の観察を16例に施行した.臨床例では,16例中12例(75%)が目的の部位まで挿入され,観察可能であった.正常例の主膵管は,膵液を通して明瞭な管腔として見ることができ,毛細血管模様や膵管分枝の開口部も観察された.膵癌や慢性膵炎では,膵管内腔の不整隆起や粘膜の凹凸として観察された.しかし,本器種には,アングル機構がないため,観察視野が制限され良質な画像が得られにくいという欠点があった.そこで現在,アングル機構を装備するためのルーメン機能付外径1.7mmのファイバースコープを開発試作し,処置能,材質,耐久性について基礎的検討を行っている.