日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的大腸ポリペクトミー症例(腺腫および早期癌)の経過観察に関する検討
五十嵐 正広勝又 伴栄山本 佳正小林 清典三富 弘之西山 和男本間 二間西元寺 克禮瀬川 謙一中 英男
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1990 年 32 巻 11 号 p. 2555-2561

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抄録

 内視鏡的大腸ポリペクトミー後経過観察を行った209例を対象とし,ポリペクトミー後の経過観察の意義及びその適切な期間,方法などにつき検討した.再発見率は初回検査が腺腫単発例で34.4%,多発腺腫例では55.2%と多発例での再発見率が高い.再発見された腺腫の51.2%は右側結腸に分布しており,フォローアップ時,特に右側の結腸の観察には充分な注意が必要である.再発見された腺腫の83%は2年以内の再発見であり,この間のフォローアップは見逃し例の拾い上げの意味も含め重要と思われる.ポリペクトミー例は大腸癌のhigh risk群として,フォローアップが必要である.切除後のフォローアップのプログラムとしては早期癌例では6カ月後,その後1年毎,腺腫多発例では1年毎,単発例では2年毎としclean colonとなった場合各群とも2~3年毎が効率的と思われた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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