抄録
食道静脈瘤27症例を対象として,体腔内走査によるcolor Doppler echographyを用い,内視鏡的食道静脈瘤硬化療法(endoscopic injection sclerothrapy;以下EISと略す)施行前後で静脈瘤の観察を行った.その結果,EIS施行前では,27症例全例において食道壁内に静脈瘤の血流を示すcolor表示を認めた.EIS施行後にcolor Doppler echographyを施行できた18症例の内視鏡所見は,F0症例が2例,F1症例が16例であった.Color Doppler echographyでは,F0の2例およびF1の16症例中12例(75%)において,食道壁内のcolor表示の消失を認め,静脈瘤に対する十分な治療効果が期待できた.しかし,F1の16症例中4例(25%)では,color表示が残存し,いずれの症例も発赤所見の再発を認めた. Color Doppler echographyは,EISの治療効果判定および治療後の静脈瘤再燃,再発予知において,簡便かつ有用な検査法になるものと考えられた.