抄録
膵癌221例の膵管像をI型(狭窄型),II型(先細り型),III型(断裂型),IV型(拡張型),V型(分類不能型)に分類し,これらの膵管像と生存率および組織像との関係を検討した.膵癌全体ではIV型の生存率が最も良く,ついでIII型,I型,II型の順で各々統計的有意差を認めた.膵頭部癌に限るとIII型,I型,II型の格差はさらに顕著となったが,体尾部癌では有意差はみられなかった.手術例ではIV型は腫瘍径が小さく膵外浸潤もほとんどないため切除率は高かったが,II型は全例T4で周囲組織に高度に浸潤した切除不能な進行癌であった.I型とIII型では切除率に差はなかった.また肝転移は全体で45%にみられ,膵管像別ではIV型が最少でIII型,I型,II型の順に多くなり,これは各々の生存率と一致していた.組織型との関係ではI型は大部分が管状腺癌で,肉眼像では腫瘤型が多かったが,割面では多くが浸潤型で,間質結合織は中間~硬性型,浸潤増殖様式ではINFβ~γを示したのに対し,III型では多くが腫瘤型,結節型,中間~髄様型,INFβ~αであり,IV型は乳頭状腺癌,結節型,髄様型,INFαが大部分を占めた.以上より各膵管像間の生存率の差は,発育進展形式の相違に関係していると考えられた.