抄録
最大100μm程度の分解能を持つと言われ,十二指腸粘膜微細観察における有用性が期待される電子内視鏡を用いて,十二指腸潰瘍症例における絨毛形態の観察を行った. その結果,0.2%インジゴカルミン色素撒布を併用した電子内視鏡による十二指腸球部近接観察は,すでに報告した拡大レベルでの十二指腸粘膜パターン(分離・接合・萎縮)や,十二指腸潰瘍辺縁の顆粒状再生絨毛の観察に有用であった. 顆粒状再生絨毛は,活動期の1部(33,3%),治癒期の全例(100.0%),赤色瘢痕期の多数(63.6%),そして白色瘢痕期では12.5%のみに観察されたことから,潰瘍治癒経過途上の所見であり,十二指腸潰瘍に崎田・三輪分類を用いる上で重要な所見であった. 十二指腸潰瘍活動期の症例では,その背景粘膜は,接合パターンが優位であり,随伴性十二指腸炎との関連が示唆された.