日本消化器内視鏡学会雑誌
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panendoscopyで胃癌なしとされた症例の長期予後
土谷 春仁原田 康司山崎 忠男野ツ俣 和夫伊藤 慎芳桜井 幸弘池上 文詔多賀須 幸男
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1990 年 32 巻 9 号 p. 2199-2211

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抄録
1979年1月から1982年12月の4年間に関東逓信病院でpanendoscopyによる上部消化管内視鏡検査を受け,胃癌を発見されなかったNTT社員及び退職者で,この期間中の初回検査時に40歳から60歳の男子2,724例の追跡調査を行った.1989年4月末までに2,362人(86.7%)の予後が確認され2,250人(82.5%)が生存していた.死亡した112人のうち5名が胃癌で死亡した.生存が確認された者のうち2,053人(91.2%)で内視鏡またはX線検査が行われ,進行胃癌10例,早期胃癌19例が発見された.検査後2年以内に発見された進行胃癌及び1年以内に発見された早期胃癌で粘膜下層に浸潤するか,あるいは直径2cm以上の粘膜内癌であったものを見逃しと定義するとpanendoscopyの偽陰性率は40~50歳の年齢層で0.1%,51~60歳の年齢層で0.3%,全体で0.21%となる.最初の検査で60人の胃癌が発見されているので,panendoscopyによる胃癌の検出感度は92.5%となる.スキルスの診断にまだ問題が残されているが,ルーチン検査として行われているpanendoscopyの胃癌診断に対する信頼性は極めて高いことが確認できた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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