日本消化器内視鏡学会雑誌
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噴出状出血により大量吐血をきたした胃癌の1例
内田 英二恩田 昌彦カーン ハヤト横山 正小林 匡水谷 崇山中 洋一郎相本 隆幸田代 真一松倉 則夫中島 米治郎笹島 耕二山下 精彦
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1991 年 33 巻 11 号 p. 2420-2424_1

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抄録
 噴出状の動脈性大量出血によりショック状態を呈したBorrmann3型胃癌に対して内視鏡的純エタノール局注による止血後,待期的に根治手術をしえた1例について報告する.胃癌では胃潰瘍に比べて,口径の大きい粘膜下層血管の露出を生ずることが少なく,大量吐血をきたすような胃癌症例はまれである.本症例のような噴出状の拍動性大量出血をきたした胃癌に対しては,各種内視鏡的止血法によって保存的に止血し,充分な検査の後,待期的に根治手術を施行するのが望ましいと思われた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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